粒度分布測定に関する全機能を集約

PAQXOSは、全てのSympatec社製品を制御するためのプラットフォームです。従来のソフトウェアであるWINDOXの機能を継承しつつ、より多機能かつユーザーフレンドリーなソフトウェアとして刷新されました。クライアント/サーバー構成に対応した、Windows®10または7 (64ビット) 用のプログラムです。ネットワークインターフェースを備えたSympatec社の全ての測定装置と、それに接続された分散器やフィーダーなどの全ユニットを一括で制御します。専用のステップ・バイ・ステップ式ウィザードと自動装置検出機能により、初心者でも簡単に取り扱えます。

PAQXOSは、WINDOXよりもハードウェア要件が増大しました。そのため、WINDOXからアップグレードする場合は、ソフトウェアとハードウェアのいずれも再構成する必要があります。ただし、PAQXOSとWINDOXは同じコンピュータにインストール可能で、移行に時間を要する場合も安心です。専用のデータ変換プログラムも備えており、WINDOX用のデータベースを、いつでもPAQXOS用に変換できます。この際、全ての設定、テンプレート、測定データが転送されるため、一度の操作で簡単に移行できます。

PAQXOSは、関連するすべてのISO規格に準拠しています。

  • レーザー回折法|ISO 13320:2009
  • 動的画像解析法|ISO 13322-1, 2: 2014, 2006
  • 動的光散乱法|ISO 13321-1:2014、ISO 22412:2008
  • 超音波減衰法|ISO 20998-1:2006
  • 結果表示|ISO 20998-2:2014、ISO 9276-1, 2, 3, 4, 5, 6

さらに、電子記録と電子署名に関するFDA CFR 21 part 11にも準拠しており、製薬業界において20年以上の運用実績があります。

  • ステップ・バイ・ステップのウィザードによる明確な操作性、自由度の高いデスクトップ構成と直感的なアイコン、実用的なヘルプ機能、自由に定義できる各種テンプレート、SOPの管理
  • 各種グラフ、時系列、表による測定結果表示
  • 多様なエクスポート/インポート機能による容易なデータ交換
  • PASCALなどのスクリプト言語による、外部サンプラー、ロボット、SPC、MODBUS、TCP/IPサーバーとの連携
  • 強力なデータベース管理、柔軟なアクセス権の設定、統合されたライセンス管理、自動バックアップ機能
  • 64ビットベースのデータベースによる安全なデータ管理
  • WINDOXからPAQXOSへの容易な移行支援
  • Windows®10や7のネットワーク環境をサポート

 
 

 

全ての測定条件は専用のダイアログボックス上で設定でき、サンプル、測定範囲、トリガー条件などの各条件に素早くアクセスできます。ダイアログボックスは非表示、詳細表示、編集が可能で、表示される情報量を調整できます。条件ごとにテンプレートとして保存できるだけでなく、測定条件全体を1つの標準操作手順 (SOP) として保存できます。SOPとして保存された場合は、測定条件を個別に変更することはできません。さらに、これらの機能にも権限設定や監査証跡が利用可能なので、製薬アプリケーション向けのデータインテグリティ要求にも完全に対応します。

すべての測定データは、ローカルまたはリモートサーバ上の64ビットデータベースに保存されます。測定データには高度な属性付けが可能で、ソート機能やフィルタリング機能と組み合わせることで、目的の測定結果に素早くアクセスして、測定条件や装置の状態を確認したり、測定結果を図、表、レポートなどの様々なフォーマット表示、出力できます。また、PAQXOS上で測定値の平均値や標準偏差を表示できるため、簡単な解析はPAQXOS上で完結できます。さらに、測定条件や結果に関する様々なパラメータを任意に表に追加できます。

 

測定されたデータは、様々な方法で表示できます。粒度分布、一覧表、形状分布*、粒子ギャラリー*や、オプションで時系列 (粒子径の推移) やなどに対応しています (*動的画像解析法のみ)。一覧表の表示項目は様々なパラメータから自由に設定可能です。さらに、規格外の測定値をハイライトする機能、CSVやPDFなどへのエクスポート機能も備えています。また、強力なレポート機能も実装しており、測定結果の図表から自社ロゴマークに至るまで自由にレイアウトできるため、検査成績書のテンプレートを予め作成しておけば、PAQXOS上で測定からレポート出力が一括して行えます。レポートは紙への印刷だけでなく、Microsoft WordやPDF形式へのエクスポートも可能です。

測定条件や表示・出力用のテンプレートは、専用のテンプレート管理ツールで管理できます。このツールでは、テンプレートの整理、インポート、エクスポートが可能で、装置間でもフォーマットを共有できます。さらに、レポートのテンプレートはMicrosoft WordのようなWYSIWYGエディターで編集でき、図表、画像、数式、関数、ページのヘッダーとフッターなどを総合的に扱えます。例えば、レポートに会社のロゴを挿入したり、数量の表示単位を体積基準から個数基準に変更できます。

ラボやプロセスの自動化の要求に対応するため、PAQXOSには専用のスクリプト言語が組み込まれています。この強力な言語は、全ての設定と測定結果にアクセスでき、シリアルまたはネットワーク通信チャンネル (MODBUSまたはTCPサーバー) を介して、外部サンプラー、ロボット、SPC、プロセスコントローラーなどと通信できます。シングルステップ、パラメータ表示、マルチブレークポイント機能を備えたスクリプトの生成とテストのために、文脈指向のスクリプトエディタとスクリプトモニタが用意されています。

 

ソフトウェアは初心者から熟練者まで全てのユーザーに対して使いやすく設計されています。初心者の方向けに、専用のステップ・バイ・ステップウィザードが用意されており、所定の手順に従って操作するだけで、初歩的な測定を行えます。細かい設定は、機器側から自動的に取得され、Sympatec社の推奨条件が簡単に利用できるように配慮されています。ヘルプ機能には豊富なテキストだけでなく、多くの図表や動画も含まれており、PAQXOSについての知識を深めることができます。予め汎用的な測定条件ライブラリが組み込まれているので、一般的なサンプルなら煩雑な条件設定をすることなく、簡単に測定できます。また、直感的なドラッグ・アンド・ドロップ操作で、測定済みのデータから設定を呼び出したり、複数の測定データをグラフィック、レポート、またはテーブル出力として表示できます。

 

デスクトップのレイアウトは自由に設定でき、それらはテンプレートとして保存・読み出しが可能です。デスクトップ構成だけでなく、サブウィンドウ内の図表の設定も保存されるので、自分好みの設定がいつでも適用できます。標準で3つのデスクトップ構成が用意されており、ワンクリックで適用できます。また、汎用的なサブウィンドウ用レイアウトも予め登録されており、サンプルや目的に応じた適切な結果がすぐに表示、出力できます。フルHD以上の解像度のモニターをサポートしており、マルチモニターもサポートしています。アイコン類は全てベクター画像なので、高解像度の環境でも明瞭に表示されます。

3種類の専用管理プログラムが用意されています。

  • サービス管理では、データベースの保存場所やバックアップの場所を定義し、管理者を割り当てます。
  • データベース管理では、データベースの管理、ユーザーやユーザーグループの定義、アクセス権の割り当て、データベースのバックアップとメンテナンスを行います。スケジュールされたタスクの定義も統合されています。
  • ライセンス情報では、現在のライセンスの状態を表示・管理します。
 

WINDOX

2017年以降の製品には、全てPAQXOSが標準的にバンドルされています。SOP上の制限などの理由でWINDOX 5を使用しているユーザーや、旧式の製品をお使いのユーザーには、WINDOX 5.10を最新かつ検証済みのバージョンとして提供しています。WINDOX 5.10はWINDOWS 7と10で動作します。詳細は弊社のサービスエンジニアにお問い合わせください。